猫の本棚名作紹介ブログ

古今東西の名作を日々の雑感もまじえ紹介します。読書で人生を豊かに。

2022-01-01から1年間の記事一覧

『ミドルマーチ 4』ジョージ・エリオット 

■ミドルマーチ 4■ 全4巻 1871-1872 ジョージ・エリオット 作 『ミドルマーチ』は群像劇だが、主人公はドロシアと言ってよいだろう。彼女は困っている人を放っておけない、正義感が強い女性だ。情熱的な性格でカッとなりやすく猪突猛進するが細やかな気遣いも…

『ミドルマーチ 3』 ジョージ・エリオット

隙のない綿密なプロットで、さらにどの登場人物も丁寧に心理描写されているので、嫌な人物でさえその行動に共感できないまでもある程度納得してしまう。 現在放送中の大炎上している朝ドラの制作者に見習ってほしい素晴らしいドラマ。 第5部 死の手 リドゲイ…

『ミドルマーチ 2』ジョージ・エリオット作

■ミドルマーチ 2■ 全4巻 1871-1872 ジョージ・エリオット 作 第3部 死を待ちながら 第4部 三つの愛の問題 遺産相続のドロドロな展開。ベタな題材であっても、相続争いは面白い。奇妙な容貌の隠し子まで現れて‥‥。 そして3組のカップルの愛の行方は? 第3…

『ミドルマーチ 1』ジョージ・エリオット

■ミドルマーチ 1■ 全4巻 ジョージ・エリオット 作 ペンネームは男性名だが女性作家である。 『高慢と偏見』が恋愛を描いていたのに対し、こちらは「地方生活についての研究」という副題が示すように、架空の地方都市ミドルマーチのさまざまな人物にスポット…

『高慢と偏見』 ジェイン・オースチン

シェークスピアを筆頭に世界的名作を著した作家を輩出してきたイギリス。なかでも有名なのは19世紀の女性小説家だろう。19世紀初頭のジェイン・オースチン、19世紀中期のブロンテ姉妹、19世紀後期のジョージ・エリオットは世界文学史において輝きを放ってい…

『八月の光』フォークナー

#八月の光 (上) (下)1932 #フォークナー #諏訪部浩一 訳 #岩波文庫 『アブサロム‥』同様ミシシッピ州の架空の都市ヨクナパトーファ郡ジェファソンが舞台。『アブサロム‥』と違い普通の文体で読みやすい。決して読み流せるような作品ではない。21章どの章も…

『アブサロム、アブサロム』フォークナー

#アブサロム、アブサロム 1936年 #フォークナー 1897年 - 1962年 #藤平郁子 訳 ▶︎攻略法(?) 『アブサロム‥』は、およそ100年に及ぶファミリー・ヒストリーであり、謎がベールを剥ぐように徐々に解明されていく面白さがある作品である。すでに投稿したガルシ…

『オデュッセイア』 ホメロス

#オデュッセイア #ホメロス #松平千秋 訳 #岩波新書 古代ギリシャの長編叙事詩。 壮大な冒険ファンタジー。 ジブリのアニメを見ているよう。 実際『風の谷のナウシカ』の冒険譚や、『千と千尋の神隠し』の豚に変えられた話は『オデュッセイア』から想を得て…

『百年の孤独』 ガルシア・マルケス

マコンドという架空の村のブエンディーア一族の100年にわたる物語。 一族代々の恋愛、出産、死という人間のっtgfrtrygt普遍的な営みと、その間に勃発した戦争が語られる。 新型コロナウイルスのパンデミックで世界は誰もが想定できなかったほど様相を変えた…