猫の本棚名作紹介ブログ

古今東西の名作を日々の雑感もまじえ紹介します。読書で人生を豊かに。

カラマーゾフの兄弟(中)

#カラマーゾフの兄弟(中)

#ドストエフスキー

#原卓也

#新潮文庫

 

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世界最高の文学と言われる本書。

推理小説であり、宗教哲学書であり、恋愛小説であり、悲劇であり、喜劇であり、詩であり、そのテーマは愛、生き方、神と人間、信仰、家族、いじめ、児童虐待、愛憎・嫉妬を生む人間関係、身分の違い等々、およそ人間の抱える問題のすべてを含んでいるのではないだろうか。

 


中巻は感動と驚愕の展開です。

・     ・     ・     ・     ・

●イワンのイライラ

カテリーナに失恋した二男のイワンは、モスクワ行きを決め、その前にいったん家に戻る途中、なぜか憂鬱な気分におそわれる。家に着くと召使いのスメルジャコフが原因と気づく。

スメルジャコフは長男ドミートリイ(ミーチャ)と父親フョードル双方に頼まれ、2人を惑わせているグルーシェニカを監視している。スメルジャコフはグルーシェニカが訪れた際のフョードルへの窓をノックする合図をドミートリイに迫られ教えてしまったと言う。スメルジャコフは癲癇持ちで、癲癇発作が3日も続くことがあると言う。イワンはスメルジャコフと話しているうちにイライラが増大し、ついに怒りが爆発する。

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知的でクールなイワンの怒りがエスカレートしていく描写が見事🐾

 


●ゾシマ長老の死

ゾシマ長老は永眠する前に、修道僧になった経緯や法話を語る。

 


心が洗われるような言葉があった。

「すべては絶えず流れながら触れ合って世界の他の端までひびくような大洋にひとしい。それを知ってこそ、小鳥たちに祈るようになるだろうし、歓喜に包まれたかのごとく、完璧な愛に苦悩しながら、小鳥たちが罪を許してくれるよう、祈ることができるだろう。」

「わが友よ、神に楽しさを乞うがよい。幼な子のように、空の小鳥のように、心を明るく持つことだ。そうすれば、仕事に励む心を他人の罪が乱すこともあるまい。」

 


「大地にひれ伏し、大地に接吻することを愛するがよい。あらゆる人を愛し、あらゆるものを愛し、喜びと熱狂を求めるが良い。喜びの涙で大地を濡らし、自分のその涙を愛することだ。その熱狂を恥じずに、尊ぶがよい。」

 


アリョーシャは長老の葬儀中、白昼夢でイエスの姿を見た。アリョーシャは夢から覚め、教会の外に出た。彼は泣きながら、嗚咽しながら、涙を降り注ぎながら、大地に接吻し、大地を愛することを、永遠に愛することを狂ったように誓い続けた。

 


「大地にひれふした彼はか弱い青年であったが、立ち上がったときには、一生変わらぬ堅固な闘士になっていた。」

 


●グルーシェニカとミーチャ

ミーチャはストーカーのようにグルーシェニカをつけ狙っていた。別れた夫とよりを戻したグルーシェニカがパーティをしているところに乗り込むとカードゲームで元夫がインチキをしているのをミーチャが見破る。グルーシェニカは元夫に愛想を尽かしミーチャを愛するようになる。

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この後は怒涛の展開。

フョードルが何者かに殺され、ミーチャが容疑者となる。

 

 

 

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